「俺らには何も出来ない」という中学生たち
最近また塾で講師をしているんだけど、この前、冗談抜きに5分おきに飛行機がやってきて授業どころじゃなかった。
そんな中で生徒たちが「安倍は最悪だ!」と言い出したので、どうせ社会の授業だしと思って議論に持ち出した。
自分にでも何かできるはず
と主張する生徒。
どうせ俺らには何も出来ない
と主張する生徒。
なぜ何も出来ないか聞いてみると、「学校でも勉強も何も出来ないし、俺だよ、俺。」
その君にこそ可能性があるんだ!と言いたかったが、黙ってひたすら話を聞いた。
また飛行機が飛ぶ。
「どうせ基地は作られて、俺たちはこの騒音の被害に遭う。基地があるのにリゾート地とか言ってる大人もどうかと思うけどひたすら飛行機だよ。ほら、この音。この音聞きに来る観光客ってどこにいるの?」
子供達の不満がどんどん溢れる。
いいぞ、いいぞ。と思いながらもっと掘り下げる。
「でも、何も出来ないって思うのがこの事態を招いてるさ?」
俺たちにでも出来るを主張する生徒が言い出す。
「そう言ったところで何が出来るば?」
「一人では出来ないけど、なんかみんな集めてやるとか」
「でもなんかそんなことやっても意味ない気がする。基地は作られてるし。今埋め立てもしてるし。沖縄が仕掛けてもない戦争に負けたから」
「でもよ、中国よりはましじゃん?」
やる気のない顔でみんな淡々と各々の思っていることを言う。
飛行機も少しおさまったところで、
「てか選挙とか政治とか意味分からんし、難しすぎて勉強する気なくす。」
という話が出てきた。キリが良かったので、
「これから一緒に勉強しよう。」
そう言って授業を始めた。
こうやってみんなで意見を言い合って、考えるのが大事。“自分で考える”ことが増えれば増えるほど、世の中は絶対いい方向に向かうし、この子たちも才能と可能性のかたまり。勉強出来ない人は“頭悪い”とか、“出来ない人”って決めつけてる世の中がおかしいのであって、勉強出来ないのがおかしいわけじゃない。
それを、言葉じゃなくて、行動で示せるような大人になりたい。
もっとたくさんの子どもたちに、あなただからこそ出来るんだ、って、行動で示せる人になりたい。
地域の小学生は言う。
ここの大人たちは、全員じゃないけど基地作りたがってる大人たちもいる。ちょっと頭おかしいよ!お金もらえるんだって。でもお金と命って代えられないって教えてもらったのも大人たちだけどね。
本人はこう言ったことすら覚えていないだろうけど、表情と言葉の重みは今でもはっきり覚えている。
アメリカ軍があることで中国から日本人の人権や命は守られているという点で反論する大人もいるだろう。
真実は誰にも分からない。
もっと一緒に考えよう。もっと一緒に悩もう。もっと一緒にモヤモヤしよう。
そして一緒に明るい未来を作れたら最高です(^^)